5.主要通貨の特徴(1)米ドル

 

FXの魅力の1つに、クロス円(円とその他の通貨間の取引)に限らず、様々な国の通貨同士を売買できる点があります。

 

20086月時点において、日本経済は原油をはじめとする資源価格の高騰や不動産価格の下落等から、景気は弱含みで推移しています。

一方、アメリカ経済も2007年に表面化したサブプライムローン問題の傷は癒えておらず、政府高官がドル安阻止のために口先介入を始めざるをえないほど、米ドルは弱い状況です。

このような状況下でドル円の売買をするのは、弱い通貨同士を取引することであり、決して効率がよいトレードとはいえません。

 

FXで最も効率的に利益を出せる取引は強い国の通貨を買い、弱い国の通貨を売ることです。

中長期投資をする場合、今の資源高が続く限りは、オーストラリアやニュージーランド等、資源高の恩恵を受ける国の通貨を買い、米ドルや円を売るといった取引の方に妙味があると考えられます。

(ただし、短期投資やハイレバレッジの投資をする場合には、別の観点があります。これについては別の記事でご紹介します)

 

戦う前にまずは相手を知れといいます。

ここでは、トレードに役立つ主要通貨の特徴を説明したいと思います。

第一回の今回は、世界の基軸通貨・米ドルです。

 

1.米ドル

 

第二次世界大戦後、幾度かの危機を乗り越えながら、世界の基軸通貨として君臨してきた米ドルですが、ここ数年でその地位は大きく低下してきました。

 

その最大の原因は、2001年の同時多発テロにより、米国にもカントリーリスクが存在するという事実が顕在化し、ドルの地位下落が加速したことです。

それまで、カントリーリスクとは、旧共産圏や新興国における政治経済情勢の不安が主であり、戦争などの有事にはドル買いが通例となっていましたが、これ以降、有事にはスイスフランが買われる比率がこれまで以上に強まっています。

 

次に1999年のユーロの発足とその発展です。

それまで米ドルを準備通貨として保有する国が大半でしたが、人類史上初の実験といわれたユーロが発足し、その後も順調に流通・発展する現状から、欧州とその近隣諸国を中心に準備通貨としてドルを削減してユーロに切り替える国が続出するようになりました。

そのため、ユーロ・ドル相場は一貫して上昇を続けており、この傾向は世界情勢に大きな変化がない限りは、当面継続する可能性が強いと考えられています。

 

さらに、20078月以降表面化した、サブプライムローン問題があります。

それまで、米国の実体経済はサービス業を中心に順調な成長を続けてきましたが、不動産バブルの崩壊に連鎖して金融システムも崩壊。

さらに原油高や先物をきっかけにした穀物バブルにより個人消費にも暗雲が垂れ込めており、1990年代の日本のバブル崩壊に匹敵する大問題になっており、今後の状況はまだまだ予断を許さないと思います。

 

筆者は、少なくとも今後数年、米ドルの地位は今後下がることはあっても、上がる可能性は非常に少ないものと考えています。

ただ、2007年時点で、世界の為替取引の90%近くは米ドルに関連する売買であり、今のところ世界最大の基軸通貨の地位は保っています。

 

また、米ドルの特徴として、金価格と原油価格に逆行する、中でも特に金価格とは不の相関関係が強いという特徴があります。

つまり、金価格の動向を注視していれば、その後のドル相場の値動きがある程度見えてくる訳です。

この関係は常に頭に入れておくべきでしょう。

 

そして、現在ドルのレートに最も影響を与える指標は、毎月第一金曜日の日本時間夜に発表される非農業部門の雇用統計の数字です。

発表後1日の値動きはドル円の場合、平均で約1円(100ピプス)にも及びます。

ただ、その間は決して一直線で上げる訳ではなく、かなり荒い値動きをするので、振り落とされる場合も多々あります。

私自身は、雇用統計発表後は少なくとも一時間以上経過してからでないと取引はしないように心がけています。

 

 

 

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